私たち夫婦はなかなか子供に恵まれず、いわゆる”不妊”に長いこと悩んでいました。
不妊で悩んでいるカップルは非常に多く、実際に不妊治療を受ける割合は4〜5組に1組といわれています。それほど不妊は身近な問題なのです。
女性側に原因があるイメージを持っている人が多いですが、実は約半数は男性側にも要因があります。
今日は意外と知られていない男性不妊についてお話ししていきます。
- そもそも不妊ってどういう状態?
妊娠を望む健康な男女が避妊せずに性交しているにも関わらず、1年間妊娠しない状態を「不妊」といいます。
先述したように、日本における不妊の割合は4〜5組に1組です。個人的には非常に高い割合と思いますが、皆さんはいかがでしょうか? 決して他人事ではない数字かと思います。
2. 原因は?
女性側のみに原因がある場合が約40%, 男性側のみの場合が約24%, 男女両方の場合が約24%といわれており、約半数は男性側にも原因があります。
女性側の原因としては、子宮や卵巣などの妊娠器官の異常、ホルモン異常などがあります。具体的には、子宮筋腫、子宮内膜症などの子宮の疾患、卵巣炎や卵管閉塞、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの卵巣の疾患、プロラクチン・甲状腺ホルモンといったホルモン異常 などが挙げられます。
男性側の原因としては、精子をつくる機能が低下する造精機能障害が最多です。ついで性機能障害、閉塞性精路通過障害が原因として挙げられます。
つまり、精子が十分に作られないか、精子の機能が悪いか、性交渉がうまくできないか、精子が作られるがうまく体外に出て来れないか のどれかになります。
3. 必要な検査は?
まずは精液検査が大切です。精液の中の精子の様子を確認し、数・機能が十分かどうかを判断します。
また、陰嚢部・腹部の診察、エコーなどでの精巣サイズの測定、精管の有無、精索静脈瘤の有無、性機能障害(勃起不全、射精不全)の有無、ホルモン値なども確認します。
4. 治療法は?
性機能障害(勃起・射精障害)がある場合、それをサポートする薬を服用します。妊活へのプレッシャーなど精神的な要因が勃起・射精に影響することがあるため、夫婦間の話し合いも大切です。
精子の数が少ない・動きが悪い場合に精索静脈瘤があるケースでは、精索静脈瘤根治術が有用です。
精子の通り道に問題があり、閉塞点がわかっているときは、精路再建術を行える場合があります。
精液中に精子が存在しない無精子症では、侵襲的に精子を採取する治療(micro-TESE, conventional-TESE, MESAなど)を行います。
各々の詳細な治療内容についてはまた別の機会にお話ししますが、このように男性不妊の原因にも様々なものがあります。子供を望むカップルは必要に応じて病院を受診し、原因がある側を責めるのではなく、支え合いながら治療していくことが大切です。
精神面が不妊に及ぼす影響はとても大きいです。不妊がストレスを呼び、それがさらに不妊に拍車をかける負の連鎖を起こさないよう、我々医療者もサポートしていきます。

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